フォークリフトバッテリーを復活再生させるには?

フォークリフトバッテリーを復活再生させるには?

どんなバッテリーも長く使い続けると寿命がきてしまいます。もちろん電動フォークリフトのバッテリーも例外ではありません。電動フォークリフト用バッテリーは新品に交換すると相応のコストがかかりますが、現在使用しているバッテリーを活かして復活再生させる方法はあるのでしょうか。

今回はフォークリフトの復活再生の可否や再生バッテリーのメリット・デメリットについて解説します。再生バッテリーの導入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

フォークリフトバッテリーの復活再生は可能なのか?

まずは、そもそもフォークリフトバッテリーの復活再生は可能なのか、という疑問から解説していきましょう。結論から述べると、バッテリーの復活再生は可能ですが、新品同様の100%の状態に回復させるのは不可能です。

どんなバッテリーにも言えることですが、バッテリーは長く使い続けると寿命がきてしまいます。携帯電話でバッテリー寿命が来たなら機種交換という手もありますが、フォークリフトですとなかなかそうはいきません。

そのため、多くの場合はバッテリーを新品に交換して対応しますが、古くなったバッテリーに復元処理を実施することで、バッテリーの能力を復活・再生させて使用する場合があります。こうした復元処理を実施したバッテリーを「再生バッテリー」と呼びます。

再生バッテリーには、現在使用しているバッテリーに復元処理を施すか、もしくは再生バッテリー業者が処理を施した再生バッテリーを購入する方法もあります。

再生バッテリーの復元処理は、「サルフェーションの除去」が基本です。サルフェーションとは、バッテリーを使用する過程で、電気が流れる電極版に硫酸鉛という結晶が付着する現象のことです。サルフェーションはバッテリー能力の低下に繋がるため、再生バッテリーの復元処理ではこのサルフェーションを溶かす処理を施します。

しかしながら、再生バッテリーはあくまでもバッテリー能力を部分的に回復させた状態であり、新品に戻すことは不可能です。バッテリーのダメージが多い場合はそもそも再生不可となる場合もあります。

そのため、バッテリーを新品に交換することと、バッテリー再生は別物であり、バッテリー再生は「延命治療のようなもの」と認識しておくと良いでしょう。

再生バッテリーのメリットとデメリット

では、ここから再生バッテリーを使用するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

◎コストを削減できる
◎環境にやさしい

再生バッテリーのメリットとしてバッテリーの交換コストを抑えられる点が挙げられます。再生バッテリー業者が処理を施した再生バッテリーを購入する場合、再生バッテリーは新品のバッテリーに比べ販売価格が安く設定されています。

フォークリフトのバッテリーは、2Vのセルを複数組み合わせて構成されています。たとえば48Vのバッテリーの場合は24個のセルで構成されます。今あるバッテリーを再生させる場合は、まず診断したうえで再生可能なセルは再生対応し、ダメなセルは中古の再生済み単セルと交換するという流れになります。

かかる費用は診断費・バッテリー再生作業費・台車費・セル交換費等となり、セル交換が少なくてすむ場合は大幅に費用を浮かせることができるでしょう。

また、新品バッテリーへの交換と比べると、廃棄物が少ないので環境にやさしいという点もメリットになります。ISO14001環境マネジメントシステムの取得・維持を行っている事業所であれば、チェックしておきたい事項です。

デメリット

●劣化が新品よりも早く、再生後もすぐに交換が必要になるおそれがある
●作業完了までに時間がかかる
●セル交換が多く必要な場合は、新品交換とコストが変わらないことも

一方で、再生バッテリーのデメリットとして、根本的な原因の解決に繋がらない点が挙げられます。 前述のとおり、バッテリー再生とはサルフェーション除去作業になりますが、サルフェーションを完全に取り除くことはできないため、どうしてもバッテリー能力は新品より劣ってしまいます。

また、再生不可となるセルは交換となりますが、これによってどうしてもセルごとの状態にバラつきが出てしまいます。このバラつきによって、セルごとに容量や電圧に差が生じやすくなってしまいます。状態が悪いセルほど充放電時に負荷がかかってしまうため、どんどん劣化していきます。

フォークリフトのバッテリーは数個のセルがダメになっただけで性能はが大幅に劣化しますので、その結果、再生作業を行った直後は問題なくても、すぐに寿命に達してしまうことが起こりえます。

新品バッテリーの場合はセルの状態にバラつきが無いため、こういった事象は起こりません。再生バッテリーを選択した結果、すぐに寿命末期となり「結局は最初から新品バッテリーに交換しておいたほうが良かった」ということも比較的よく聞く話です。

また新品バッテリーへの交換と比べると、バッテリー再生作業には時間がかかります。今使っているバッテリーを再生させる場合、再生バッテリー業者にバッテリーを預けたうえで、診断→再生→返却という流れになります。概ね2~4週間ほどで作業が完了する場合が多いですが、作業の間は台車を手配するか、稼働を止めなければなりません。 

また交換しなければならないセルの数が多い場合、費用もそれなりになってしまい、上記の劣化リスクも考慮すると、最初から新品バッテリーに変えたほうが良いと判断されるお客様も多くいらっしゃいます 

高稼働の作業環境なら新品バッテリーへの交換がおすすめ

ここまで再生バッテリーのメリットとデメリットについてご紹介しましたが、再生バッテリーにはコストを抑えられるというメリットがある一方で、あくまでも新品交換までの「延命措置」という側面があります。

例えば週に1~2回程度、短時間だけフォークリフトを利用するといった低稼働の環境では、再生バッテリーのメリットも十分活きます。

一方で毎日フォークリフトを利用する高稼働の環境では、できる限り稼働をストップさせず、かつバッテリー劣化リスクも避けるべき事項のため、新品バッテリーに交換するほうがおすすめです。

GB Traction Batteryなら純正バッテリーと同品質でコストを抑えられる

新品バッテリーへの交換をお考えなら、「GB Traction Battery」がおすすめです。 GB Traction Batteryは、国内工場でアッセンブリ(組み立て)及び能力調整を実施しており、万全の状態での出荷体制を整えています。

また、自社で各種充放電試験を実施し、純正バッテリーと同等品質であることが実証されている商品のみを販売。 加えて、商流集約や作業効率を高めることで、純正バッテリーと変わらない高品質を保ちながら、メーカーディーラーでの交換時よりも最大で40%ほどのコストダウンを実現しています。

もちろん商品は再生バッテリーではなく新品の状態でのお届けとなります。2021年3月時点でのフォークリフトバッテリーの累計交換台数は20,000台以上を数え、多くのお客様からご好評の声をいただいています。 再生バッテリーへの交換を検討する方は、新品バッテリーのコスト負担がネックとなっていますが、GB Traction Batteryならこうした課題を解決しつつ、高品質な新品バッテリーへ交換が可能です。

バッテリーの長持ちや適正稼働をサポートするバッテリーロガーを搭載

せっかく新品バッテリーに交換したなら、少しでも長く良い状態を保ちたいものです。バッテリーの寿命が伸びれば、コストの負担を抑えることができます。とはいえ、バッテリーは「生もの」と形容されるほど、日頃のメンテナンスや稼働状態により寿命が大きく前後します。

そこで活用したいのがバッテリーロガーです。バッテリーロガーは岐阜バッテリーが開発した、バッテリーの遠隔監視システムです。フォークリフトのバッテリー状況を5分間隔でモニタリングし、常時クラウド上にデータを送信。データはインターネット環境があれば、いつでも・どこでも確認でき、事業者はPCやスマホからフォークリフトのバッテリーの状態や稼動状況を遠隔監視できます。

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