フォークリフト作業に必須!パレットの素材について

フォークリフト作業に必須!パレットの素材について

フォークリフトで物を運ぶ際に必要となるのが、リフトの爪を差し込む部分(フォークポケットとも呼ぶ)です。これが無ければ、フォークリフトを使った持ち上げ・運搬作業を行うことはできません。とはいえ、運搬対象物に必ずしもフォークポケットが付いているわけではありません。

そこで、登場するのが「パレット」です。荷物を運搬する際の台座(荷役台)として機能し、フォーク爪を差込むための隙間がついています。 パレットの上に荷物をまとめて積載しておけば、フォーク爪を差し込んでパレットごと持上げることが可能になり、積載品を一度に運ぶことができます。

そのため、物流倉庫や重量物を取り扱う現場など、フォークリフトが稼働する場所では、必ずと言ってよいほどパレットが活躍しています。

パレットはただの台座に過ぎないのでどれも同じようなものと考えてしまいがちですが、実は積載する荷物の種類や、フォークリフトの作業状況に応じて、様々な材質のパレットがあります。 今回は、様々な現場で引っ張りだこの「パレットの素材」について説明します。

パレットの素材・材質

パレットの材質は、大きく分けて木製、樹脂製、金属製、紙(ダンボール)製があります。

木製パレット

木製パレットは、安価な木材を釘などで組み立てたものになります。木材には、杉や松、アピトン・タウン・カメレレ等といった南洋材などが使われ、板厚は20mm程度のものが多いです。

一番の長所は1枚あたりの価格が安いという点です。最近では物流用途だけでなく、DIYでベッドにしたり、インテリア用途でも使われるようにもなりました。

ただし、木という材料の特性上、割れ・削れや反り等の損傷が発生しやすく、また吸湿によって腐食やカビが発生したりすることで耐久性が低くなってしまいやすいという難点があります。

また、パレットに使われる木材や保管環境によっては、木材害虫が付く可能性があります。木材に被害を及ぼす昆虫はシロアリが代表的ですが、それ以外にもヒラタキクイムシ、ナガシンクイムシ、シバンムシなどが木材の内部に侵入し、木材を劣化させます。

そのため、国際物流において木のパレットが利用される場合は、木製パレットに付着した害虫や菌が生きたまま国境を超えることを防ぐため、燻蒸処理が必要になります。

燻蒸(くんじょう)処理とは

厚さ6ミリ以上の木材を使った木製梱包材に対して、木材に付着した害虫による害を防ぐために、薬剤や熱などによる消毒処理を輸出国側で施すことが求められます。

対象となるのは、全ての非加工木材梱包材です。なお、熱加工などの処理が既にされているパーティクルボード、ベニヤ板などは規制の対象とはなりません。

処理方法としては、材芯温度が56℃以上・30分以上加熱することによる熱処理によって消毒する方法と、臭化メチルを使って蒸す薬剤処理の方法があります。

燻蒸処理を施した木製梱包材には、処理済みであることを示すスタンプ(IPPCマーキング)が押されます。 もちろん、日本に輸入される貨物においても、木製梱包材が使用されていた場合には、燻蒸処理が施され、処理済みスタンプが押されていることが大前提となります。

万が一処理が施されていなかった場合には、植物防疫所に輸入検査申請を行い、検査を実施する必要があります。

 

また、木版を釘等で固定してパレット形状にしているため、釘の飛び出しや木のささくれによって積載物を傷めてしまったり、作業員の怪我が生じる可能性があります。とはいえ、樹脂製・金属製とくらべて積載物が滑りにくいという作業性でのメリットもあります。

簡単な構造のため、破損が起こると補修して再利用されたりもしますが、多量のパレットが倉庫や現場を圧迫することを避けるため、使用後すぐに廃棄されることも多くあります。

樹脂製(プラスチック)パレット

古くは木製パレットが主流でしたが、使いやすさや耐用期間を上げるために樹脂製のパレットが登場しました。 木製パレットと比べるとはるかに頑丈で、耐用年数が段違いです。

そのため、自動化やファクトリー・オートメーションを取り入れている工場においては、特に欠かせないタイプのパレットであると言えます。最近では、自動倉庫での使用を想定した特殊強化樹脂製パレットも多くみられるようになりました。

木材と違って水を吸わないため、腐食やカビに強く、トゲやササクレによる積載物の損傷や怪我も発生しにくいです。 重さは木材の約半分、成型によって製造されるため品質が均一という長所もあります。

木製パレットと比較した際のデメリットとしては、単価が木製よりも高いという点があります。しかしながら、耐用期間は木製よりも長いため、トータルコストは木製よりも安くなります。 そのため、同じパレットを何度も使うような環境であれば樹脂製パレットのほうが様々な面でメリットがあります。

一方で、例えば客先への納品にパレットを用いる場合など、パレットが行ったきり戻ってこないような用途(ワンウェイ)の場合は木製パレットの方がコストを抑えることができます。

金属製パレット

スチール等の金属を使ったパレットです。材質にはスチール・ステンレス・アルミなどが用いられます。

一番の特徴は、他の素材よりも強度があり、耐荷重が非常に大きいという点です。また、樹脂製パレットは金型で樹脂を成型して製造することから設計に自由度を持たせにくいという難点がありますが、金属製パレットはそういった制約を受けないため自由設計がしやすいという長所があります。

一方で他の素材と比べると重くて単価が高いという点、滑りやすく、錆や汚れが付きやすいという点がデメリットになります。

金属素材のパレットは、GMP(医薬品を製造するための管理基準)の規格に対応しやすく、寸法精度にすぐれていることから、医療関連のロジスティックスに用いられたり、一部の空輸に用いられたりすることが多いです。

紙(ダンボール・ファイバーボード)製パレット

ダンボールやファイバーボードでできたパレットで、軽量かつ安価というメリットがあります。また、木製パレットで必要となる燻蒸処理が不要であること、温度変化に強いという点で優れています。

しかしながら、耐久性は他の素材と比べて低く、水や湿気に弱いという難点があるため、使い捨てとなるケースが多いです。

紙なので廃棄・リサイクルがしやすく、他の素材と比べると最も環境にやさしい素材であるともいえます。

まとめ

素材の違い以外にも、作業内容や積載物の種類に応じて、様々な工夫が加えられたパレットがあります。当サイトでも多くの種類のパレットを取り扱っていますので、興味のある方は一度ご覧ください(パレット販売ページはこちらをクリック)。


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