フォークリフトバッテリーの入力電圧は何ボルト?

フォークリフトバッテリーの入力電圧は何ボルト?

フォークリフトには、バッテリーで稼働するタイプとエンジンで稼働するタイプがあります。

このうち、バッテリーで稼働するタイプには一般的に「鉛蓄電池」が使用されています。電力で稼働するため、排気ガスを出さず環境にやさしいという点と、ガソリン交換の必要がないため日々かかるコストがエンジンタイプより安いという特徴があります。

フォークリフトバッテリーの電圧は?

今の自動車に搭載されているバッテリーの正常電圧は、12V(ボルト)です。これに比べ、フォークリフトのバッテリーは重量物を運搬するためのパワーが必要となりますので、一般的な自動車バッテリーよりも大きな電圧となります。

現在、フォークリフトのバッテリーは24V または 48Vのものが主流です。フォークリフトのバッテリーはバッテリーセルが複数直列で連結されており、これがバッテリーケース(鉄箱)内に収められた構造となっています。

セルの数が増えるほど電圧が出るようになっており、たとえば24V電圧のバッテリーは2Vのセルが12個、48V電圧のバッテリーは2Vのセルが24個直列に連結された構造になっています。

バッテリータイプのフォークリフトは、エンジン式車両に比べるとパワー(耐荷重)に劣ります。また、重量の大きい荷物を運ぶ際に動作が遅くなる場合もあります。これを補うために、高電圧バッテリーを搭載したタイプも販売されており、72V/80V/96Vといったハイパワーのバッテリーが搭載されています。

要は、車両の能力や稼働状況によって、それに合う形のバッテリーがそれぞれ車両ごとに選定されているということです。

フォークバッテリーの電圧が何ボルトか確認したい

フォークリフトのバッテリーは、前述のとおり、セルがバッテリーケース(鉄箱)内に収められている構造になっています。このバッテリーケースには銘板とよばれるバッテリー仕様表記板がついており、ここにバッテリーに関する情報が記載されています。

銘板には、バッテリーのメーカー、バッテリー型番、電圧、容量、バッテリー重量などが記載されています。

上記の写真を例に見てみると、①メーカー名:GSユアサ、②バッテリー型番:VCF4N、③電圧:48V、④容量:280Ah 5HR(291Ah 6HR)、⑤バッテリー重量:465kgという表記になっています。

閑話:バッテリー容量の単位について

上記の④容量には、AhとHRが併記された単位が使われています。この単位について説明します。

まず、Ahというのは「アンペアアワー(Ampere-hour)」と呼び、A(アンペア)は電流、 h(アワー)は時間を示します。Ahは電流と時間の積であり、Ah = 電流(A) × 時間(h)となります。

またHRとは「アワーレート(Hour Rate)」と呼び、時間率を指します。完全充電したバッテリーを容量の[時間率]分の1(5時間率の場合は1/5)の電流で放電するという意味合いになります。

例えば、上記写真のように「280Ah 5HR」と表記されている場合は、容量280Ahの1/5である56A(280Ah÷5)の電流で放電したとき、5時間後に放電終止電圧に達するということになります。要は、満タンに充電した場合、56Aの電流を5時間放電する能力があるバッテリーということです。

また上記の銘板には291Ah 6HRとも記載されていますが、これは48.5A(291Ah÷6)の電流であれば6時間放電するという意味合いになります。

例えば、①280Ah 5HRと②300Ah 5HRの2つを比較するとした場合は、当然②のほうが容量が大きく長持ちするということになります。 また、①280Ah 5HRと②280Ah 6HRの2つを比較すると、①のほうが時間あたりに流すことができる電流が大きくなりますので、①のほうが容量が大きく長持ちするということになります。

上記の単位でバッテリー容量を表すようJIS規格で定められており、フォークリフトバッテリーの場合は5時間率容量が表記されることがほとんどです。

充電の電源電圧は何ボルト?

バッテリータイプのフォークリフトはコンセントから充電します。充電用のケーブルが別途必要となっており、業務用の3相200Vコンセントに接続して充電します(車両によっては、単相100Vで充電できるものもあります)。3相200Vの電源は電力会社との契約と電設業者による工事が必要な場合があります。

また、定置式の充電器を使用すれば、充電時にバッテリーにかかる負荷を抑えつつ、短時間での充電が可能になります。充電器の入力電圧は、3相200Vのタイプや3相400V仕様のタイプがあります。また適合する電圧や定格電流(適合する電池容量Ah)が型式ごとに決まっていますので、充電対象のバッテリーに合ったものを選びましょう。


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