フォークリフトのバッテリー液補充は超重要!

フォークリフトのバッテリー液補充は超重要!

バッテリーフォークリフトをご使用の場合、バッテリー液(精製水)を補水する作業は欠かせません。管理が不適切だと、バッテリーの短命化にもつながります。今回は、バッテリー補水作業について紹介します。

そもそも、補水作業はなぜ必要?

バッテリーの電解液の成分は希硫酸です。希硫酸とは、硫酸と精製水(不純物を取り除いた水)を混ぜ合わせたものです。この希硫酸とバッテリー電極が化学反応を起こすことで電気が作られます。 バッテリー内で充電や放電が行われると、希硫酸に含まれる硫酸が電極と水の間を行き来します。充電すると、電極と硫酸が化学反応を起こして希硫酸の濃度が上がります。一方で、放電すると水が生成されて希硫酸の濃度は薄くなります。

バッテリー内の精製水が減る理由

理論上は充電と放電のサイクルでは希硫酸に含まれる硫酸が電極と水の間を行き来するだけですので、精製水の量は変わりません。 しかしながら、以下の2つの要因によって、実際は精製水の量が徐々に減っていきます。

過度の充電

満充電の状態からさらに充電がされると過充電となります。バッテリーの過充電を完全に防ぐことは難しく、通常の充電時でも僅かに過充電は起こります。過充電が起こると、電気分解によって水が水素と酸素に分解され、水の量自体が減ってしまいます。 この反応は、劣化が進んで電圧が下がっているバッテリーのほうが顕著に起こります。 過充電によって発生した水素がバッテリーの電極と反応すると、端子が腐食してしまい、電気が通りにくくなる現象が起こります(サルフェーション)。

自然蒸発

バッテリー液が減るもう一つの理由に、自然蒸発が挙げられます。気温が高い夏場などは特に水分が減少しやすくなります。

精製水が減ると短命化する理由

精製水が減ると、バッテリー内の電極が液に十分に漬からず、空気に剥き出しになります。空気に剥き出しになった部分の電極は劣化してしまい、あとで再度液に浸けてもその部分は化学反応が起こらず充電ができなくなります。

そのため、液量が規定以下となっている状態で使用を続けると、劣化はどんどん進行します。また、劣化がさらに進むと劣化個所でスパーク(火花)が発生したり、内部に多量に溜まった水素ガスに引火して爆発する場合もあります。 そのため、液量が減少したままで使用すると、バッテリーの寿命が短くなったり、最悪バッテリーが壊れてしまう場合もあります。

フォークリフトバッテリーの補水方法

液量が減ったバッテリーには精製水を補充します。※水道水は絶対に使わないようにしてください。水道水の成分の中には、不純物が入っていますのでバッテリーの極板の腐食を早めバッテリー寿命の短命化につながります。

カウンター式フォークリフト

ハンドル付近にバッテリーの蓋を開くためのレバーがあります。蓋を開けたのち、誤って蓋が閉じないようストッパーを立てます。 注水口に精製水タンクのコネクタを繋ぎ、注水を行います。 フロート(注水部にある浮き)の白いラインが見えれば液量は十分ですが、見えない場合は白いラインが見えるまで精製水を補充します。なお、フロートが引っかかっていてしっかりと浮いてこない場合もあるので、気を付けましょう。

リーチ式フォークリフト

運転席のレバーを踏みながら前方のフォークを前出しすると、バッテリーが出てきます。注水作業は、カウンター式と同様です。 注水後は注水口のキャップを閉めて、バッテリーを元通り収納すれば完了です。収納の際はコードの収まりに注意しましょう。

注水時の注意点

●液の入れすぎに注意してください。吹きこぼれたり、バッテリー液の比重低下によって性能が落ちる場合があります。吹きこぼれた場合は、ウェス等でふき取りましょう。

●バッテリーには希硫酸が入っています。もしバッテリー内から飛んだ液が皮膚に付着した場合は大量の水で洗い流してください。

●バッテリー上面が汚れていたり濡れた状態だと漏電の可能性があり、フォークリフト本体にも影響が出ることがあります。バッテリー上面の汚れは取り除き、乾燥させた状態を保ちましょう。

●バッテリー内部には水素が溜まっている場合があります。充電は人気が無く換気の良い場所で行いましょう。火気は厳禁です。

 


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